Regional Scrum Gathering Tokyo2023 に参加してきました #RSGT2023

Regional Scrum Gathering Tokyo2023(#RSGT2023)に参加してきました。

今回もハイブリッド開催でしたが、この形になってから一番多くの人が現地に集まっていたように感じました。
スポンサーブース前、ホワイエ、廊下など多くの場所でいろいろな会話の輪が出来ていて「あぁ、RSGTってやっぱりこれやなぁ」と改めて感じました。

まず、実行委員、ボランティアスタッフのみなさん、(毎回のことですが)こんなステキな場、ありがとうございました!

【発表】Outcomeにフォーカスするチームへのジャーニー


前回と同じ1日目の午後最初のセッションで、緊張していていたところ、いくおさん( @martin_lover_se )や新さん(@aratafuji)など見知った人と言葉を交わせたので少し気が楽になりました。
が、いざ始まってみると「全然うまく話せていないなぁ。スライドのつなぎもだし、リズムが整っていない…」と焦りながらのあっという間の20分でした。
けっこう駆け足で、いろいろ足りない箇所、わかりづらかった箇所があったと思うので、そのあたりはDiscordやSNSで声をかけてもらえたら嬉しいです。

それでも、いくつか質問もらったり、会場で「あの先を聞きたかった」と感想をもらってその場で意見交換をしたりできたのは良かったかと思いました(「あの先」についてはそのうちブログにでも書こうと思います)。

セッションの壁打ちしてくれたAkiさん(@spring_aki)、レビューしてくれたトミーさん(@Tommy1969)さん、ありがとうございました!

スポンサーブース

今回もレッドジャーニーとしてスポンサーをさせてもらいました。
市谷さんや新井さんの書籍の表紙を印刷したチロルチョコをアメニティとして配ったり、ブースに来てくれた人とお話したりできました。

スポンサーセッションでは市谷さん(@papanda)が『右手に「正しいものを正しくつくる」、左手に「組織を芯からアジャイルにする」』を話していました。

Coaches Clinic(コーチーズクリニック)

1日目、2日目とも午後は主にコーチーズクリニックでいろいろな人の相談を聞いていました。今回は例年以上にとても盛況で、ほとんどのアジャイルコーチが時間いっぱい埋まっていたようでした。

私も2日間で13人の方とお話しましたが、だいたい最後には「この場には仲間がいっぱいいるのでひとりで抱え込まないでくださいね〜」みたいなことを言っていた気がします。

クライアントが登壇したりしていた

その支援しているチームメンバーが出したプロポーザルが選ばれて自分たちの経験を話していました。

以前に「yohhatuが話すのもいいけど、クライアントをこういう場で話すように後押しするのも1つやで」と言われていたことが実現できて良かったです。

他にもいくつかの支援先からそれぞれ複数人で参加していたようです。こういう場に一人で来ると現場に戻った時に「なにをしようか」となりがちですが、複数で参加していれば相談できたりする仲間となるので良い形だなと思います。

その他

Day0に英語話者と話した

Day0に少し機会があり、英語で話をしました。
「なんとなく言っていることはわかるけど、こちらから話せない」だったのが、ちょっとだけ会話を続けることができたのが嬉しかったです(毎日DMM英会話続けている結果)。

「DevLOVE関西やろうよ」って話をした

Day2の夜、関西から来ていた人たちと「やっぱりオンサイトいいですね〜。2022年に久しぶりに1回だけやったDevLOVE関西を2023年はやっていきましょうか」みたいな話をしました。

こういう、なにか背中を後押ししてもらえるのもRSGTの良さの1つです。

Scrum Fest Fukuoka 2023にプロポーザルを出した

3月のスクラムフェス福岡がプロポーザル募集中だったので、今回のRSGT2023で採択されなかったプロポーザル「アジャイルコーチは何をもたらすのか?何を考えて、どんなことをしているのか?」を出しました。
ちょっとアジャイルコーチ文脈なのでどれくらい聞きたい人がいるかわかりませんが、興味あるな〜という人はLikeしてくれると嬉しいです。

最後に

「次のRSGTでも何かを伝えられるように1年をやっていこう!」と気持ちを新たにした場でした。

2022年のふりかえり

2022年は”楽しい1年”だった

楽しい1年だった“というのが1年を通じての感想です。

その要因の1つには主戦場の変化があります。
これまでの「開発チームやプロダクトチームに関わりながら、その延長線上で組織全体の変化に取り組む」という文脈から、「組織全体をより良くしていきたい。そのためにまずはあるプロダクトチームや事業部から取り組む」という文脈の関わり方が増えていきました。

もう1つは共に歩む仲間たちの存在です。
前職でも一緒にやっていた市谷さん(@papanda)以外にも新井さん(@araratakeshi)、森實さん(@samuraiRed)といったアジャイルや組織について経験豊かな人たちがいます。
このような仲間たちと同じ現場に立つことで、いろいろな経験や知見を交換し、学び合えている点も楽しいところです。

さらに、2021年に比べると東京方面や三原や名古屋といったクライアントの現場にも足を運び、実際の利用者や関係者、またチームと同じ時間、体験を共に過ごしたことも楽しく感じました。

勉強会やカンファレンスでの発表

外部の勉強会やカンファレンスで話す機会は2021年に続き少な目でした。
ただ、支援先の様々な現場で、新しいチーム向けのAgile&Scrum概論を何度もしたり、OKRに取り組もうとする組織向けのOKRの解説、また若手向けのタスクマネジメントのトレーニングなどいろいろやっていました。

DevLOVE関西を2年半ぶりに実施した

勉強会つながりでは、2年半ぶりのDevLOVE関西をオンサイトで実施しました(組織づくりの話(オンサイト))。

参加者数人で小さなグループでテーマに沿って話すダイアログで、誰かの困り事にそれぞれの経験を伝えあったりしている風景はとても懐かしく、そして楽しく、嬉しいものでした。

いろいろ久しぶりすぎてなにをしてよいか段取りなどを忘れている自分がいましたが、状況を見ながら2023年はもう少し継続的にこのような場づくりをやっていきたいと考えています。

63冊の本を読んだ

読書数は63冊で、ほぼ2021年と同程度でした。
2021年の傾向から引き続いて、組織づくりやそこにおける人々の考えや行動に関する本を多く読みましたが、2022年は「組織を芯からアジャイルにする」や「ゾンビスクラムサバイバルガイド」、「アジャイルメトリクス」などのアジャイルに関する良書も多く、いろいろ考える機会を持てました。

サイドプロジェクトをもう1年間やってみた

2021年から細々と取り組んでいたサイドプロジェクトも引き続き同じペースで取り組んでいました。
何度か仮説検証して、ランディングページ(あなたの習慣化をサポートするHabitee(ハビティー))を作ったり、有料化してみたりとして、2022年もいろいろ検証、実験ができました。

その他の取り組んだこと

アジャイルコーチとスクラムマスターの集い

2019年の時もとても楽しかったアジャイルコーチとスクラムマスターの集いに参加しました。場所も一緒に参加した人もそこでの会話もやはり楽しく、学ぶことが多かった3日間でした。

EQ(Emotional Intelligence Quotient)

“感情の取り扱い”は前々から興味があったテーマで、知人がこのあたりに詳しいことがわかり、学ぶ機会をうまく得ることができました。
EQのアセスメントなどを通じて、自分の感情へのアクセスする時の癖や解釈などいろいろわかることが増えて楽しかったです。

洋書を読了

洋書をDeepLの力を借りながらですが、2冊ほど読み終わりました。
2019年から毎日3年以上続いている英会話、それに伴う勉強などを通じて、英語に対する苦手感は減ったような気がします。

プレーしたゲーム

もともとRPGやSRPGが好きでちょくちょくしていたのですが、2022年は例年以上に遊びました。

  • ブレイブリーデフォルト2
  • 両手いっぱいに芋の花を
  • Divinity: Original Sin – Enhanced Edition
  • DragonAge:Origins Awakening
  • Dragon Age:Origins
  • オクトパストラベラー
  • マーセナリーズリバース 追憶のワイルドリンクス
  • トライアングルストラテジー
  • Divinity:Original Sin 2
  • Dragon Age: Inquisition
  • Kingdoms of Amalur Re-Reckoning

2023年はどんな1年にしたいか?

まずは、1月のRSGT2023で、Outcomeにフォーカスするチームへのジャーニーをお話します。
また、レッドジャーニーもプラチナスポンサーとしてブースを出しています。
RSGT2022でもそうでしたが、やはりリアルに多くの人がいる場所でお話したり、その前後にホワイエなどでいろいろな人とお話できた現地の雰囲気が相変わらず素敵だったので、2023年も現地に行くつもりです。見かけてたら気軽に声をかけてくれるととても嬉しいです。

おそらく2023年も引き続き、組織の変化に外から関わることが多くなると思います。私たちはこれを”組織アジャイル”と呼んだりしますが、この取り組みは独特の難しさがあります。

1つのプロダクトチームにフォーカスすることと違い、”プロダクト”というもののわかりにくさ、関係者の多さ、立場や考えの幅の広さ、そして組織にある”これまで”など様々な要素があります。
その中で、これまでと違うなにかを生み出していくのは相当の覚悟が必要ですし、覚悟だけでなんとかならない難しさもあります。
このような“組織アジャイル“をレッドジャーニー、それぞれの組織の中の人と共に進めていくのが2023年のメインテーマと考えています。

というわけで、2023年もよろしくお願いします。

Photo by Sean Oulashin on Unsplash

「自分がどんな変化をしたか?」を言葉にする

これはなに?

こちらはレッドジャーニーアドベントカレンダー25日目の記事です。
前日は市谷さん(@papanda)のそれでも、デイリースクラムをやらない理由とは?
でした。

レッドジャーニーのアドベントカレンダーを書いていて感じたこと

12月1日に始まったこのアドベントカレンダーも最終日になりました。

1日目のアドベントカレンダーで、森實さん(@samuraiRed)がアドベントカレンダーをやるということ でこのように書いていました。

我々のアドベントカレンダーの目的は自分たちの「発信力強化」。
つまり、自分たち自身のトレーニングとしてアドベントカレンダーをやっているのです。

25日書き続けたことがどのような変化を産むことになるかわかるにはもう少し時間が必要です。
それでも「レッドジャーニー全員で25日間なにかを発信し続けたこと」自体は事実ですし、少しでも発信力がレベルアップしたかなと思います。

なによりより物事を考えるきっかけにもなります。

みんなの書いたアドベントカレンダーを見てて、普段考えていることを出発点にしてこの機会により物事を考えたんだろうなぁというブログもあり「みんな、変わっていっているんだな」と感じました(手前味噌ですが)。

私自身もアジャイルコーチとして、日々いろいろな組織、チーム、人々と関わり、そこで起きていることに向き合い、また何かを起こそうと共に歩んでいます。そのような状況では”変化していくこと”は大事な要素の1つになります。

というわけで今回は”変化”について書いてみます。

どんな変化を自分がしたのか?

このブログを書いている25日の朝、市谷さんとのいつもの雑談で「自分はこの1年でどのような変化をしたのか?」という話をしました。

その中で「あまり自分は大きく変化していないのではないか?」と感じた場面がありました。

日々、組織、チーム、人々と関わらせてもらい、そこでの出来事に向き合う中で、新しい理論や考え方、プラクティスと出会ったり、その出会ったものやもともと手にあったものをより効果的にうまく使えるように手に馴染むようにする。このようなことはやっていたつもりです。
そして、ありがたいことにクライアントからも一定の評価はいただいているようです。

一方で、「こういう明確な変化があった」とハッキリと言えない自分の存在に気づきました。
うまく言えないのですが、ロールプレイングゲーム(RPG)でいうと、今使っている武器の熟練度は上がっている気はしているけど、これまで使っていなかった武器やあまり取り組んでいなかった魔法については手には入っていない感じです。

このこと自体がダメとかそういうわけではなく、この1年の変化に対し、自分がどのような感覚を持っているのかがわかったというところです。

変化を意識できているか?

変化することそのものや変化したことについてさらに話していくうちに、”意識せず起きた変化”と”意識して起きた変化”の大きく2つがあるよねという話になりました。

それぞれの名前の通りですが、”意識せず起きた変化”は、自分では意識していないふるまいや考えが知らず知らずのうちに変わっていったという現象です。

一方、”意識して起きた変化”は、自分である方向に変化することを意図し、その意思を持って活動した結果として起きた変化を指しています。

“意識して起きた変化”は継続的な内省などで気づくこともできます。一方、”意識せず起きた変化”は自分だけでは気づくことができないこともあります。
この日も市谷さんとの会話の中で、まさに”意識せず起きた変化”について伝えてもらい、それについてどんな意味が自分にはあるのか?などを深く考えるきっかけになりました。

このように”意識せず起きた変化”を発見するための仕組みや環境づくり(その1つが定期的な雑談です。雑談のススメ)は大切と感じてました。

変化はすぐには訪れない

変化はすぐに訪れるわけではありません。
なにか新しいスキルを身につけて使えるようになるにはそれなりの期間、時間が必要になります。新しい考え方や振る舞いというもう少し内面に関わるようなことであれば、その期間はもっと長くなることもあります。

そして、その変化は緩やかなものです。時には停滞することもあるでしょうし、時には後退することもあるかもしれません。
それにRPGでレベルアップした時のように派手なファンファーレで教えてくれるわけでもないですし、レベルアップした瞬間から突然何かがうまくできるようになるというハッキリとした変化が見えるわけでもありません。

それでも”1年”という期間で見てみると、そこで取り組んできたこと、意識してきたこと、積み重ねてきたことによる変化はあります。きっと、1年前の感覚、場所とは違う感覚、場所にいることがわかると思います。

なにが言いたかったかと言うと。
日々の変化は小さすぎて見えないかもしれないけど、その期間を長くすれば見えてくるものもある。なので、少しやってすぐに捨てたり諦めるのではなく、やり続けることで起きる変化もあるよ」ということです。
※似たようなことを市谷さんも 1年かけて「成果がない組織」なんてないんだ。で書いています。

ちなみに日々の変化は小さいからと言って、日々の検査がいらないというわけではありません。
例えば、デイリーミーティング(Scrumならデイリースクラム)や毎週のふりかえりなどがその検査にあたりますが、その期間で発見できる変化ももちろん多くあります。

おわりに

今回は”変化”について書いてみました。

2023年12月には「自分はこんな変化をしたよ」と明確に言えるように、また活動していきます。
みなさんにとっても「自分がどんな変化をしたか?」を言葉にするヒントになれば幸いです。

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効果的な会議のために取り組んでいる3つのこと

これはなに?

こちらはレッドジャーニーアドベントカレンダー18日目の記事です。
前日は市谷さん(@papanda)の正しいときに正しいことをするでした。

会議が連続した時に思ったこと

アジャイルコーチという仕事柄もあり、連続していくつかの会議に参加することがあります。それぞれでの期待されている役割は様々ですが、それでも3つほど連続して終わった時には疲れていることもあります。
特にリモートワークが中心になってからは、連続する頻度やその時間が多くなっています。

このような中で「このように疲れているのは自分だけやろうか?」「もっとこの場を効果的にするためにどんなことが工夫できるやろ?」と思い、取り組んでみた3つのことを今回のエントリでは書いてみます。

会議を効果的にするポイントは、会議そのものだけでなく、アジェンダやその設計など準備段階でもいろいろなものがあります。
今回はその準備段階ではなく、実施の段階に絞っています。準備段階に興味がある方は、もう少し広い範囲を対象にした書籍やスライドなどを探してみてください。
※参考:私のScrapboxにも会議のやり方というタイトルでいくつかのTipsを書いています。

取り組んでみた3つのこと

  1. 時間を枠いっぱいに設定しない
  2. その場でタスクを終わらせる
  3. 場のふりかえりをする

時間を枠いっぱいに設定しない

最初に1時間を取っていた場合、その1時間すべてを使うのではなく、45分や50分で終わるように設定します。もちろん、アジェンダなどの設計もその時間に合わせます。

オフィスにいると、ギリギリまで会議をしていると移動時間が次の予定にかぶってしまったり、休憩が取れなかったりします。
またオンライン環境だと移動時間を考慮をしなくて済むからか、本当に次の予定のギリギリ10秒前まで前の会議をやっていることもあります。そして、バタバタと前の会議を終えて、次の会議に突入していきます。
このような時には、次の会議に関わる質がかなり変わってくることもあります。

そのため、前の場をちゃんと終わらせ、自分の気持ちや頭をリセットします。そして、次の予定の準備をするための時間が必要と考えます。
そのための”時間を枠いっぱいに設定しない”という工夫です。

またオンライン環境だと座っている時間が長くなります。ここでも時間を枠いっぱいに設定しないことで、立ち上がってストレッチをしたり休憩して、次の予定にフレッシュな状態でのぞむことができます。

余談ですが、GoogleCalendarの”会議の迅速化”オプションを選んでおくと予定のデフォルトを50分などにすることができます。

参考

その場でタスクを終わらせる

2つ目は、”その場で出たちょっとしたタスクをその場で片付けるようにする”というものです。

例えば「Xという予定をカレンダーに登録する」「○○さんにZの件についてSlackで声をかける」などちょっとしたタスクがその場のTodoとして出ることがあります。これを「会議が終わった後にやっておくわ」とすると漏れたり、思っていたより遅くなってしまうことがあります。特に会議が連続すると、そのちょっとしたタスクが数時間後だったり、終わった頃には疲れていて翌日になってしまうこともあります。

なので、このようなちょっとしたタスクを会議の場の中で終わらせます。
場が終わる時にはタスクも終わり、安心して次の予定に向かうことができます。

こういう風にやってみると、認識のズレが起きにくいという副産物もあります。
その場で出たタスクなので記憶も新鮮ですし、その場にいる人みんなで作業したり確認したりする一種のモブワークの形になることが多いです。
非同期だと、一見効率的に時間を使うように思いますが「あれ?その方向で良かったんだっけ?」「そういうつもりではなかったのに…」というような認識のズレが起きることもあります。このようなことが置きにくくなります。

場のふりかえりをする

3つ目の工夫は、最後の5分などで”場のふりかえりをする”というものです。

時間ギリギリまで議論して「じゃそういうことで!」という感じで次の予定に行くのではなく、以下のようなことを簡単に話し合ってみます。

  • この場がどうだったのか?ゴールにたどり着くことはできたか?
  • そのゴールは自分たちにとって満足か?
  • 自分はここで十分に貢献することができたのか?
  • 自分たちはもっとうまくできるとすればどんな風にすればよいか?

アジェンダの改良点など準備やその場の流れのような観点のヒントが出るかもしれません。
またその場での個々の感情に光を当てるような問いかけだと、その変化が表に出てきて、どのように感じていたかをみんなが知ることができるかもしれません。

場のふりかえりは、以降の場のカイゼンだけでなく、一種のチェックアウトのような効果もあります。その場のことをその場に出し置いていくことで、新たな気持ちで次に向かうような感覚です。

参考

おわりに

今回は効果的な会議のために取り組んでいる3つのことを書きました。
不要な会議はなくしたりすればいいと思いますが、必要な会議もあります。そのような会議をより効果的にするためのヒントになれば幸いです。

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スクラムマスター自身で自分自身を検査する1つのアプローチ

これはなに?

こちらはレッドジャーニーアドベントカレンダー11日目の記事です。
前日は市谷さん(@papanda)の組織の「左手」は、自分たちの「右手」のことを知らないでした。

このエントリでは「スクラムマスター自身で自分自身を検査する1つのアプローチ」について書いてみます。
合わせて同僚の森實さん(@samuraiRed)が書いている100日後に死ぬスクラムマスターを読んでみると理解が広がるかもしれません。

「自分自身がスクラムマスターとしてうまくやれているかわからない」という声

スクラムマスターとして活動してしばらくした後のスクラムマスターがこのような悩みを持ったりすることは割とあるようです。
支援先のスクラムマスターたちとの会話でもよく耳にしますし、(もうずいぶん前ですが)自分自身がスクラムマスターとして活動し始めた頃にも持った悩みだったようにも思います。

この状況に対する1つのアプローチとして「スクラムマスター自身で自分自身を検査する」というのがあると考えています。
その検査するための物さし、基準にはどのようなものがあるでしょうか?
多くの先達が書き記した書籍やインターネット上にあるスライド、ブログなども参考の1つにできると思います(もちろんコンテキスト依存だったりするのでそのままの適応はできないかもしれませんが)。
こういう、困った時に”原点に戻る”ことは比較的、筋の良いアプローチです。というわけで、ScrumGuideにはどのように書いているか見てみましょう。

スクラムマスターは、さまざまな形でスクラムチームを支援する。

  • 自己管理型で機能横断型のチームメンバーをコーチする。
  • スクラムチームが完成の定義を満たす価値の高いインクリメントの作成に集中できるよう支援する。
  • スクラムチームの進捗を妨げる障害物を排除するように働きかける。
  • すべてのスクラムイベントが開催され、ポジティブで生産的であり、タイムボックスの制限が守られるようにする。

スクラムマスターは、さまざまな形でプロダクトオーナーを支援する。

  • 効果的なプロダクトゴールの定義とプロダクトバックログ管理の方法を探すことを支援する。
  • 明確で簡潔なプロダクトバックログアイテムの必要性についてスクラムチームに理解してもらう。
  • 複雑な環境での経験的なプロダクト計画の策定を支援する。
  • 必要に応じてステークホルダーとのコラボレーションを促進する。

スクラムマスターは、さまざまな形で組織を支援する。

  • 組織へのスクラムの導入を指導・トレーニング・コーチする。
  • 組織においてスクラムの実施方法を計画・助言する。
  • 複雑な作業に対する経験的アプローチを社員やステークホルダーに理解・実施してもらう。
  • ステークホルダーとスクラムチームの間の障壁を取り除く。

このように、支援の対象はスクラムチーム、プロダクトオーナー、組織の3つあり、それそれ4つの活動・行動があげられています。
この活動1つ1つを物さしとして、スクラムマスターとしての自身の活動を照らし合わせてみることで、検査が進むのではないかと思います。

もちろん、活動だけが大事ではなく、その活動の先にある周囲にもたらすもの(価値)も大事です。
ですが、まずスクラムマスターに取り組み始めてしばらくの間は活動の検査にフォーカスしてみるのもいいかもしれません。

スクラムマスターたちと実際にやってみて得られた3つのきっかけ

以下は、支援先のスクラムマスター(1〜3人)とアジャイルコーチとで実際に何度かやってみて、主に得られた3つのきっかけです。

具体的な活動を整理するきっかけになった

自己管理型で機能横断型のチームメンバーをコーチする。

「この活動に対して自分はどのようなことをやっているか?」という問いかけが起きました。
あるスクラムマスターは、メンバーとの1on1の中で、自己管理型が進んでいる状態を話し合ったり、その状態において自分たちは今、どこにいそうかといったことを話していました。
また別のスクラムマスターは、スキルマップを作り、その変化を検査することで、機能横断型のチームに近づいているかを意識していると話していました。

このように自分たちの具体的な活動がどんなものかを整理するきっかけになりました。

活動がもたらした変化や価値を考えるきっかけになった

必要に応じてステークホルダーとのコラボレーションを促進する。

「これに関する活動をやってみたことで、どんな変化が起きたんやろうね?」と話し合いました。
社内のステークホルダーと期待のすり合わせができて、協力を得やすくなったり、「あいつら大丈夫かな」となんとなく懐疑的に思われていた様子が変わっていったという話もありました。
社外のステークホルダーの1つである実際の利用者への理解の度合いが変わり、「これって刺さらさそうだから下にしよう」「ムダなものを作らないようにしよう」といったようにプロダクトバックログが変わることもありました。

Scrumを深く理解するきっかけになった

すべてのスクラムイベントが開催され、ポジティブで生産的であり、タイムボックスの制限が守られるようにする。

「”開催し”ではなく、”開催され”になっている。この違いはなんだろうか?」という話題が出た場もありました。
ちなみに原文(英語)だと”Ensuring that all Scrum events take place and are positive, productive, and kept within the timebox.”とあります。

(1つの解釈ですが)スクラムイベントはスクラムマスターが開催するものでなく、スクラムチームが開催するものであり、スクラムマスターはその場がポジティブで生産的になるように関わることが期待されています。その点から「開催され」といいう表現になっているのではないかという解釈を自分たちで見つけたりしました。

この3つ目のきっかけは1人でなんとなくScrumGuideを読んでいるとなかなか行き着くことの難しいものだったようです。

補足1:チームでこのようなことを話してみる

今回は主にスクラムマスターとアジャイルコーチでこのような場を作り、会話をした話を書きました。ですが、このような会話をスクラムチームの中でやっている現場もあります。

例えば、スクラムチームへの4つの支援を、チームはどのように見えているのか?どれくらい気づいているのか?どんな風に感じているのか?などを話し合ってみることで、スクラムマスターが自分自身のふるまいを変える参考になります。また、チームも今はスクラムマスターがやっているこれらの活動をどのようにチームに取り込んでいくのか?というきっかけにもなります。

補足2:人事評価のためのチェックリストに使わない

注意点として、これらの物さしを人事評価のためのチェックリストに使わない方が良いです。冒頭に書きましたが、これはあくまでスクラムマスターが自分自身で、よりチームにとって効果的な活動をし、価値をもたらすことを検査することを目的としたものです。

おわりに

Scrumに取り組む現場が増えてきていますが、まだまだスクラムマスターの活動やその価値といったものを(スクラムマスター自身も含めて)理解し、効果的な活用ができている組織、現場はそこまで多くないと私の観測範囲では感じています。
そのような状況が少しでも前進する1つの参考になれば幸いです。

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雑談のススメ

これはなに?

こちらはレッドジャーニーアドベントカレンダー4日目の記事です。
前日は市谷さん(@papanda)のそれでもなお、「何を変えるのか」1秒でも多く考えて欲しいでした。

最近、雑談していますか?

一時期に比べるとオフィスに行ったりする機会が増えてきたとは言うものの、以前のように気軽に雑談する機会が少ない現場もまだまだあると思います。

リモートワークが中心になる前の状況はどうだったかなと少し思い返してみます。
当時は毎日のように毎日のように支援先で様々な人と雑談をすることも多かったと思いますし、様々な勉強会やその後の懇親会などでも雑談が多くありました。

私は、人の経験や考えを聞いたりして、自分の考えを整理したり、一緒に何かを見つけたりする探索的な会話が好きでした。
このような探索的な会話を今回は雑談と呼びます。

そのため、このような状況の中で雑談の機会を意図的に作りたいと思い、この状況になってからいろいろな人と定期的にオンライン雑談をしています。

今回は私なりのオンライン雑談のやり方やそこから感じたことなどを書いてみます。

私の雑談のやり方

だいたい以下のようなやり方をしています。

  • 参加人数:原則2人、つまり1対1です。ごくごくまれに3人になることはありますが、ほぼほぼ2人の雑談です。
  • 雑談の間隔:だいたい2週間〜1ヶ月おきに場を持ことが多いです。もちろんお互いの予定が合わなくて前後することもあります。
  • 実施時間:基本1時間としています。実施する時間は相手によって朝早めだったり夜だったりします。10〜19時のようないわゆる業務時間内に雑談の場を持っていることはほとんどありません(支援先の人との場は除きます)。
  • やり方:Notionに1回の雑談ごとにページを作り、話したいトピックをお互い書き出します。書き出したトピックを軽く共有し、どれから取り上げたいか決めて、そのトピックから話していきます。

上記のような雑談を最近は10人くらい(週2,3回)としています。
また雑談の相手は私と同じようなアジャイルコーチもいれば、プロダクトマネジメントをガッツリやっている人、テックリード的なエンジニア、組織にいる人がどうすれば輝くかに取り組んでいる人など様々です。

雑談でどんなことを話しているか?

  • 認知の4点フレームワーク
  • 期待のすり合わせは最初にする(後出ししない)
  • 新しい未知なことに1人で取り組むか、みんなで取り組むか
  • 学んだ知識と体験・経験がつながる瞬間
  • 認知負荷を小さく保つことと”健やか開発”
  • “自分でお金を稼ぐ”ことの意識の違い
  • 「今、ここでそれを言うことは誰のためなのか?」と問い続ける
  • “アジャイルコーチ”への期待値はなにでどうすりあわせるか?
  • 「感情を出す」と「こういう感情を持っていることを伝える」の違い
  • レッドピルを飲んで気づいた人への対応
  • やわらげ言葉レパートリー
  • 「モテたい」って言葉の正体
  • Vertical(Feature) vs Horizontal(Component) team
  • CleanCraftmanshipを読んだ
  • 職能横断チームのアンチパターン
  • 難しいことをやるんだから、やり方はできるだけ簡単にしようよって話

こちらは雑談でのトピックのほんの一部です。
こちらにあるように本当に雑多なものですが、お互いの活動領域や興味関心の範囲に近いことが多く、AgileやScrum、組織、人、チームビルディング、プロダクトづくりなどです。

余談ですが、同僚の市谷さんとの日曜朝に雑談の様子は 市谷聡啓×中村洋の〔アジャイルこぼれ話〕:新しいことに挑み続ける組織の、勝率を上げる戦い方とは?などで読むことができます。

雑談をやってみて感じること

トピックがどちらに出したにせよ、知的好奇心を持って探索な会話を一緒にやっていくことをとても楽しく感じています。

「なるほど、それってこういうモデル?」「その構造だとこういう考えもありそうやんね」「これとそれって実は近くない?」「だとすればこういうこれまでとは違う考え方が見つかるんじゃない?」といった探索的な会話のキャッチボールは自分にとって心地よく感じます。

そこにはどっちかが偉い/偉くない、絶対的に正しい/間違っているというものではなく、「その概念って少しズレているように自分は感じるわ」と躊躇なく自分の考えや感想を表明できる関係性もあります。これも心地よく感じます。

探索的な会話をしている最中にどんどん2人の考えやモデルが変化していったり、ある言葉や概念と一見関係なさそうな別の概念との間に思いもしなかった関連が見つかったりします。
それは、2人の間にある無数の水路がどんどんつながったりして新しく組み上がっていっている感じです。

そのような雑談が終わった後は、探索したことによる心地よい疲労感と新たな発見できたいことに対する充実感があります。

雑談仲間の1人であるAkiさん(@spring_aki)とは、このような様相を”相乗的オタトーク”や”創造的オタトーク”と呼んでいます。

おわりに

今回は、私がやっている雑談のことを書きました。

自分の考え方や体験を共有し、相手と探索的な会話をし、新たなことを見つけること。
これは、昔からハンガーフライトとしてやっていたものととても近いなと改めて思いました。

ぜひみなさんも、ハンガーフライトのような雑談をいろいろな人とやってみてはいかがでしょうか?

Photo by visuals on Unsplash

Regional Scrum Gathering Tokyo2022 に参加してきました #RSGT2022

Regional Scrum Gathering Tokyo2022(#RSGT2022)に参加してきました。
前回と同じくハイブリッド開催でしたが、(特に1日目は)現地に多くの人が参加してて、ちゃんとマスクなどしつつ、ホワイエや廊下など様々な場所で面白そうな会話が繰り広げられたり、笑顔も見えたり、とても雰囲気がよくて「あぁ、RSGTってやっぱりこれやなぁ」と強く思いました。

まず、実行委員、ボランティアスタッフのみなさんありがとうございました。

発表:【「いい感じのチーム」へのジャーニー】

2017年から6年続けてお話させてもらっていますが、もしかしたら今回が一番緊張したかもしれません。投票してくれたみなさん、ありがとうございました。
1日目の午後に話したのですが、リアルの場であれほど多くの人の前で話すのは約2年ぶりということもあり、どういう身振り手振りをしたらいいのか、どこに目線を持っていけばいいのかとかとかかなりドキドキしました。

それでも終わった後のDiscordでの反応やいくつか質問や感想を直接もらったのを見ていると、なにか役に立ったようで嬉しかったです。

今回、事前に、@kawaguti@bash0C7@spring_akiの3人にレビューしてもらって、多くのフィードバックをもらいました。最初は正直、ザラザラでゴツゴツした感じでしたが、3人のフィードバックを取り込み、だいぶ良くなりました。3人ともありがとうございました。

Coaches Clinic

こちらもいろいろな人が来てくれました。中には「去年もお話聞いてもらったし、この1年間取り組んだことを話したいです!」という人もいたりしましたし、こういう場に初めて来たけど、少し勇気を出して申し込んでみた人もいたりしました(みなさま、ありがとうございました)。

2022年の印象としては、これから初めてScrumに取り組みますというよりも”自分のこれまでの領域から出る”ところで立ち止まっている、困っている感じの話が多かったように思いました。
それだけScrumなどアジャイルなやり方はチームレベルでは広まってきていることかなと思いました(少なくとも参加者の所属企業では)。

ホワイエやDiscordでの雑談

自分の中で、1日目は「久しぶりですね!」感がだいぶ先行していましたが、2日目にはだいぶ感覚も以前のようになり、ホワイエや廊下などでいろいろな対話や議論などができました。
「セッションは動画で後で見よう!」と決めて、この雑談に振り切っていた感もありますが、それくらいここでの雑談は自分にとって知的好奇心が刺激されて得難いものです。

また、RSGTとしてのハイブリッド開催は2年目ということもあり、夜遅くまでDiscord上の様々なチャンネルでいろいろやり取りがされていました。

スポンサーブース

所属しているレッドジャーニーでGold Sponsorとしてほぼフルメンバーでブースを出したり、市谷さん(@papanda)がセッションをしたりしました。
多くの人が興味を持って足を止めてくれたり、旧知の人が来てくれた様子です。

次回のRSGT2023でも、こんな風にステキな経験ができる場だと感じるために、自分もまた発表できるような学びや出来事を手に入れたいですし、自分の貢献できることをやっていこうと気持ちを新たにできたRSGT2022でした。

2021年のふりかえり

ギルドワークスとの関わり方を変えた

2021年6月末で、ギルドワークスの取締役を退任します | サウスポーなエンジニアの独り言が、2021年で一番大きな出来事です。2014年4月に仲間と共に立ち上げてから7年以上、「正しいものを正しくつくる」に自分なりに取り組んできました。それを少し違う形にしました。

その後は、主に個人事業主として活動しており、これまでギルドワークスで関わりのあった現場、新しくお声がけいただいた現場の支援を引き続きやっています。
2020年以上に2021年は”組織の変化”をテーマにした支援になることが多かったように思います。

引き続き、組織やプロダクトチームを広く支援していくので、ちょっと話を聞いてみたい、相談してみたいという方はお気軽にお声がけください。

雑談を多くした

2020年からやっていました(2020年のふりかえり | サウスポーなエンジニアの独り言)が、引き続き2021年も雑談しました。

月1回など継続して雑談する関係の人も増えており、リアルなコミュニティなどで深く話す機会が少なくなっていた私にとって、いろいろな考えを知ったり、自分の考えを壁打ちしたり、時には化学反応が起きて新しい概念が生まれたりと有意義な時間になっています(付き合ってくれているみなさん、ありがとうございます)。

サイドプロジェクトを1年間やってみた

ちょっとした縁があり、知人3人でちょっとしたサイドプロジェクトをやってみました。
基本的に”毎週土曜午後2時間”というタイムボックスの中で、ユーザーインタビューをしたり、プロトタイプを作ったり、実際に運用してみたり、ドッグフーディングしたり、また別の仮説を検証してみたり…としていました。

成果が出ているとは言えませんが、バックグラウンドが違うし、価値観も少し違うけど、ちゃんと議論して前に進んでいて、とても面白い経験になっています。

勉強やカンファレンスでの発表




上記以外にもクライアント先でのプライベートセミナーなどもいくつかありました。
が、それでも一時期比べるとだいぶ減っているなぁと改めて実感しました。

読書数

読書数は61冊で、2020年と同程度でした。
読んでいる本の傾向としては、アジャイルに関すること以外にも「組織づくり」「問いの立て方」「コーチング」といったテーマの本がより多くなってきたように思います。

2022年は?

まずは、1月のRSGT2022で、「いい感じのチーム」になるためにやることをお話します。
現地に行くつもりですので、見かけてたら気軽に声をかけてくれるととても嬉しいです。

また、今後、より関わっていきたい方向性も見えてきているので、そちらに取り組んでいきたいと考えています(そんなにこれまでと大きく変わるわけではないですが)。

というわけで、2022年もよろしくお願いします。

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「あらゆるものは変わり続ける」ことに向き合うのがAgile

朝(というか3時半)に散歩しながら思ったことを雑に書く

Agileの考え方の特徴の1つに「あらゆるものは変わり続ける」というのがあると感じる。「”変わらないものはない”ということだけは変わらない」みたいな(もちろんその”変わる”頻度、度合い、間隔は様々)。

んで、人は本能的に、変わりたくない生き物っぽく、不安定を嫌い、安定していたい。
それに対して「あらゆるものは変わり続ける」ということを前提に置くのがAgileの特徴の1つ。

それって、大げさに言うと「人の本能に抗おう」としているようにも思える(そんな要素はないけど、そんな構図になってそう)。
だからこそ、もう1つの人の本能的なものである”楽しさ”や”自分事”みたいな個人のモチベーションに関係ある要素もAgileの特徴にあるんじゃないかなと思う。
不安(不快なレベルな時もあるだろう)に感じることが多い”変わり続ける”ことに向き合っていく時に、楽しく感じられないと続けられないことが多いんじゃないかなと。

もしかしたら自分自身も「楽しい」と思い込むことで、この変わり続けることに向き合えているのかもしれないなぁと感じた。

2021年6月末で、ギルドワークスの取締役を退任します

2021年6月末で、ギルドワークスの取締役を退任します

ギルドワークスでの思い出

2014年4月に市谷さん、上野さん、増田さんとギルドワークスを立ち上げました
4月1日(エイプリルフール)ということもあって「冗談でしょ?」と何人かから言われたのは今となっては良い思い出の1つです

本格的なリモートワークも初めてだったし、クライアントにアジャイルコーチ(自分たちは現場コーチと呼んでいる)として関わるのもほぼ初めてで、本当に多くのことを実験しました

“正しいものを正しく作る”や”越境”などは共通的な価値観として持っていましたが、それをどうやっていくか?というのはそれぞれ違っていたりし、たくさんぶつかったりもしましたが、どれも多くの学びがありました

“対話すること”を大切さにしていたので、頻繁に合宿したのも良い思い出の1つです(ギルドワークスだけの合宿だけでなく、クライアントと一緒に合宿をしたことも何度もありました)

これからのこと

ギルドワークスとの関わり方はこれまでとは変わりますが、今の現場は引き続き、現場コーチとして関わっていきます

当面は個人事業主としての活動し(いい機会でもあるので)活動の幅を広げたり、可能性を探ってみようと考えています(なのでお気軽にお声がけいただけると嬉しいです)

これからもよろしくお願いします

Regional Scrum Gathering Tokyo2021 に参加してきました #RSGT2021

もう4週間前になりますが、Regional Scrum Gathering Tokyo2021(#RSGT2021)に参加してきました
今回はハイブリッド開催でしたが、これまでとは違う楽しみ方を見つけることができました
この状況で、開催してくれた実行委員会のみなさん、スタッフのみなさんありがとうございました

こういう話をしてきました

組織がアジャイルになっていく道を歩んだ時、「少しだけうまくやれたこと」と「うまくやれなかったこと」“というお話させてもらいました
とてもとてもありがたいことに5年連続でRSGTでお話する機会をもらっています(投票してくれているみなさん、ありがとうございます)
今回は”組織”にフォーカスした自分の経験をお話しました

1つのチームにとどまらず、組織をよりいい感じにしようと活動する、している人にとって何か役立てば良いなと思っています

ハイブリッド開催だったRSGT2021での過ごし方

私は1,2日目は東京に行き現地で参加、3日目は朝一に大阪に帰り、自宅からオンラインという参加のスタイルにしました

現地では(それほど多くなかったものの)久しぶりな方々と話をすることができました
それにいろいろな人がアイデアを出して、実験をしていく中で、オンラインとオフラインが溶け合っていくような感じ(Discordに「廊下」というチャンネルができたり、会場の廊下の様子をオンラインに流したり)がしていました
また夜遅くまでDiscordのいろいろなチャンネルで会話が発生していて、これまでRSGTが終わった後にあった”中華”と似たような雰囲気を感じることもできました

RSGTが終わった後の過ごし方

ハイブリッドだったこともありセッションの録画を観ることができます
しかも、RSGTのチケットを持っている人と一緒であれば、他の人たちも見ることができます

関わっているある現場では、一緒にセッションを見て「自分たちの現場でどう活かせるか?」といった話をしています
また別の現場では「ウォッチパーティー」と呼び、ほぼ毎日のように視聴会が開かれています
このウォッチパーティーでは感想などを共同ドキュメントに書き込んでいくスタイルを取っているのですが、これがまた見終わった後の感想戦をとても豊かにすることに効果的なようです

クライアントの経営者が参加してくれたこと

前回のRSGTに参加したクライアントのチームから、今回さらに多くの人が参加しました
それと同時にその組織の経営者が現地で参加してくれたことがとても嬉しかったです

「よく紹介してくれる本や自分の会社で見るチームの様子とはまた違った角度のいろいろな現場の話や熱気、大切にしている価値観のようなものを感じることが出来てよかった」という感想をもらいました

次回のRSGT2022がどのような場になるかわからないですが、同じでも違っていてもここに集う人達とならいろいろ実験をして、学び、楽しむことができそうと思えるRSGT2021でした

2020年のふりかえり

要約すると

COVID-19、ギルドワークスの体制変更など、大きな環境の変化がありました
またそれに伴い、大阪-東京移動がなくなりオンライン主体になったり、コミュニティ活動など自分の活動のやり方が変わった1年でもありました

現場コーチの仕事のやり方

COVID-19により仕事のやり方が大きく変わりました
これまでほぼ毎週2,3日、大阪と東京を行き来するリズムでしたが、これが無くなりました
3月以降に関東方面に行ったのはギルドワークスの合宿での1回だけでした

これに伴い、現場コーチの支援のやり方もオンライン中心になりました
オンラインミーティングでのファシリテーションやグラウンドルール、オンラインでの見える化のツール(Miroなど)、ちょっとした雑談や偶発的な会話が減ることによる影響をどうするかなど様々なことに取り組みました
幸いなことにギルドワークスは2014年の設立からリモートワークだったこともあり、この手のノウハウや知見、あり方などはありました
この点は、多くの支援先がリモートワークに関する課題に出会った時に役立てることができたようです

このような状況にも関わらず、いくつかの新しい現場から声をかけていただき、結果として例年とほぼ変わらない”新しい現場との出会い”がありました
正直、4月頃は「この先どうなることやら…」と不安に感じたこともあったので、とてもありがたいことだなと感謝しています

DevLOVE関西の活動

これまで毎年20〜30回開催していたDevLOVE関西ですが、2月に企画していた10周年イベントは中止になり、その後の活動も一切しなくなりました

オンラインイベントという形でやろうか?と思ったことも何度かあったのですが、「オンラインイベントを実施すること」自体に自分のモチベーションが湧かなかったというのが正直なところです
自分にとって毎回の”ダイアログ”と名付けた少人数のグループで「ああでもないこうでもない」と参加者のみんなが会話している雰囲気や光景が大きなモチベーションだったようです

ギルドワークスの変化

2014年の創業メンバーである市谷さんと増田さんが代表取締役と取締役をそれぞれ退任し、上野さんが代表取締役、私が取締役になりました
とは言うものの、それぞれこういうフォーメーションの変化に備えて1,2年前から動いていたこともあり大きな影響は今のところないように感じています

2020年のニュースやお知らせは全部で17本でした
2019年は37本だったのですが、主に発信していた市谷さんが抜けたので、この結果になりました

それでも支援先の事例をいくつか届けることができたのは良かったです
経営者とも、現場とも「共感」のスタンスで寄り添い、変化に強い組織に
コミュニケーションギャップを乗り越え、チームで作った「自分たちにあったスクラム」
バラバラだったメンバーが、気付くと本当のチームになっていた

勉強会やカンファレンスなどでの発表

Regional Scrum Gathering Tokyo2020 に参加してきました #RSGT2020 | サウスポーなエンジニアの独り言

JBUG 大阪 #4 オンライン! – connpass

スクラムフェス札幌 2020

読書数

読書数は53冊で2019年の85冊から減りました
これは東京-大阪の移動がなくなったことと、ゴールデンウィークや夏休みといった長期休みもあまり他の日と変わらない活動をしていたことが影響しています

雑談

2020年で増えたことの1つがオンラインでの雑談です
1対1や3人程度で、明確に決まったトピックがなくその時に話したいことを話していくことが多かったです
2,3週間ごとに数ヶ月継続した雑談している人もいます
ざっと数えてみると130回ほどでした

というわけで、また2021年もよろしくお願いします。

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久しぶりにデブサミ関西でお話します #devsumi

今回で10周年を迎えるデブサミ関西でお話させてもらいます

ご縁があり、2020年8月27日(木)に開催されるDevelopers Summit 2020 KANSAI(デブサミ関西)でお話させてもらうことになりました。

セッションタイトルはデブサミ関西10周年記念! エンジニアとしてのキャリアをふりかえる。そしてこれから……というもので、@daiksy@tksmdの3人(司会は吉池さん)で、以下のような概要でお話します。

デブサミ関西も今年で10回目! これまで、多くの関西に住むエンジニアの生き方をお届けしてきました。このセッションでは、過去、デブサミ関西でキャリアについてご登壇いただいた方々に再度集結いただき、その時と比べての自分の変化や、関西IT業界の10年間の変化、昨今の新型コロナウイルスの影響などについて語り合います。

今回のデブサミ関西はオンラインイベント、かつ、事前収録です。
そういうことで、先日、このセッションの収録が終わったのですが、3人ともそれぞれ「どんなあり方でいたいと考えている(た)のか?そしてそれを実現するためにどんなことを判断し選択してきたのか?」といったお話をしています。

私とデブサミ関西との関わり

話し手としては、2012年、2013年、2014年と3年続けて発表していました。

また、2012年〜2019年まで実行委員としてお手伝いさせていただきコンテンツを一緒に検討したり、「どうやったらデブサミ関西、ひいては関西がもっと盛り上がるのか?」を考えたりしていました(ここ2,3年はあまり強くは関わり合いができていませんでしたが)。

当日はチャットでお話しましょう

前に書いたようにセッションはすでに収録済みで、当日は(セッションごとに用意されている)チャットに話し手3人ともいる予定です。
セッションを聞きながら、さらに質問やディスカッションなどをチャットでリアルタイムにできるような感じになることを楽しみにしています。

26(水)13:00までは申し込みできるので、私たち3人のセッション(もちろんそれ以外にもたくさん魅力的なセッションがあります)に興味がある方のお申し込みお待ちしています。

Regional Scrum Gathering Tokyo2020 に参加してきました #RSGT2020

Regional Scrum Gathering Tokyo 2020(以下 RSGT2020)に参加してきました。
※スライドなどはRegional Scrum Gathering Tokyo 2020のスライドまとめ #RSGT2020 - スクラムマスダーの日記にまとまっています。

4年連続で参加していますが、毎回ものすごい熱量があり、新たな発見や学びを得られる場です。
そして次回のこの場に「自分のやったことや変わったことを持ってこれるようにする」ことが自分のモチベーションの源泉の1つでもあります。

実行委員会やボランティアスタッフのみなさん、ありがとうございました(もちろん話し手や参加者一人ひとりの貢献もあってこそですが)。

トピック

  • 発表した
  • Coach’s Clinic をやった
  • クライアントを呼んだ
  • その他いろいろ
  • RSGTのようなエキサイティングで熱い場が各地である

発表した

「みなさんのプロダクトバックログアイテムはOutcomeを生み出していますか?」という内容で発表しました。

いくつかトピックは削ったのですが、それでも持ち時間20分に対し52枚(前夜は64枚ほど)ありました。
早口だったり、多少説明不足だったりした点もあったと思いますが、Twitterや会場でもらったフィードバックは概ね好評だったようです。
※いただいたフィードバックや質問は前述した削ったトピックだったりしたので、またどこかでお話したり、ブログに書いてみようと思います。

印象的だったのは「Outcomeは大事とわかっていたけどやり方がわからなかった。でもダイヤの事例が具体的で参考になったので、自分達の現場でも早速試してみようという話になった」という声でした。
※ダイヤがどう生み出されたのかはギルドワークスの事例(企画と現場の距離が近づき、OutputよりもOutcomeを優先する意識が根づいた)に詳しく書いています。

余談ですが、このチーム、現場はまだまだこれから変わっていくと思うので興味がある方は訪問したりコンタクトを取ってみると良いと思います。

Coach’s Clinicに参加した

Coach’s Clinic にコーチとして参加しました。
フィードバックを見ると何かのヒントになった方が多かったようでホッとしています。

相手の状況を聴いて対話していくという点では日々やっていることの一面と似ています。
が、相手のコンテキストの理解から深堀り、(必要があれば)何か伝えるという一連を15分〜30分の時間で行うのは集中力が必要でした(例年思うことですが)。

その他いろいろ

クライアントに参加してもらった

ギルドワークスのスポンサーチケットを興味を持っていたクライアントに渡したところ若手が参加していました。
これからいろいろ新しいことに取り組んでいこうとしている中で、これまでのやり方や価値観を持っている人達や流れの中でいろいろ試行錯誤している様子でしたが、ネットワーキングパーティなどで似たような場でも先に進んでいる仲間と出会えたようでした。

3日目のスポンサートークをやった

1,2日目のゴールドスポンサートークを聞いた方はわかると思いますが「あれはずるいなぁ」と思いながらやりました。
「関西人が全員おもろいわけじゃない」という話をしつつ、真面目な話として「こういう熱量が高い場に参加した翌日の現場との温度感の違い」の話をしました。
※この話も別のブログに書いてみようと思います。

(小さなことだけど)英語を少しだけ使った

前夜祭で Cope さんに少しだけ英語で挨拶とちょっとした会話ができたのは、小さい一歩だけど自分にとって嬉しい出来事でした。

RSGTのようなエキサイティングで熱い場が各地である

同じような場が札幌(Scrum Fest Sapporo)では4月に、大阪(Scrum Fest Osaka)では6月に開催される予定です。

そこに集まった人達によってRSGT2020に勝るとも劣らない場(勝ち負けじゃないですが)になるんじゃないかと思っています。
※宣伝:Scrum Fest Sapporo には「これまでと違うやり方に取り組む時にうまくいくかもしれない方法とその落とし穴」というプロポーザルを出したので、面白そうだなと思った方はLikeしてください。

2019年のふりかえり

2019年のギルドワークス

2019年のニュースやお知らせは全部で37本でした。
2018年は38本だったので前年と同じくらいです。

主な出来事

これら以外には、AgileJapanやプロダクトマネージャーカンファレンスなどカンファレンスへスポンサーという形で貢献できた2019年でした。

2019年の現場コーチ

2019年もいくつかの新しい現場から声をかけていただきました。
事業会社の現場でもっとうまくなりたいのでフィードバックや事例などを期待する現場もあれば、これからアジャイルに取り組んでいきたいがそのためには組織にある”当たり前”を壊していく仲間として期待されている現場もあり様々です。
また、長く支援させてもらってきた現場を卒業する話をする一方、もっと広い範囲で支援できないかと一緒に考えている現場もあります。

課題の傾向としては、開発のやり方がテーマの時もあるのですが、どうやったらユーザーに使ってもらえそうなものを見つけるか?といった仮説検証の話や”ビジネス側と開発側”といった組織構造やそれに起因する関係性がテーマが多くなっているように思います。

2019年の個人

読書

読書は85冊(2019年の読書グラフ)で2018年の86冊とほぼ同じ数でした。

勉強会やカンファレンスなどで発表したスライド

2019年はこんなことを話しました。

Regional Scrum Gathering Tokyo2019の感想(1日目) #RSGT2019 – サウスポーなエンジニアの独り言

Developers Summit 2019でお話してきました。 #devsumi – サウスポーなエンジニアの独り言


DevLOVE X でお話してきました #devlovex – サウスポーなエンジニアの独り言

「アジャイルコーチが見てきた組織の壁とその越え方」という話をします – サウスポーなエンジニアの独り言

2019年のDevLOVE関西

2019年は24回実施しました。2018年は27回だったのでほぼ前年と同じです。
話し手の皆さん、会場を貸してくれた皆さん、参加していただいた皆さん、ありがとうございました。

2020年にはDevLOVE関西10周年イベント「MIRAI 〜これまでの10年。これからの10年 〜」という場を持ちます。
2020年も引き続き、現場の前進のためにいろいろなテーマでDevLOVE関西をやっていこうと思います。

というわけで、また2020年もギルドワークス、DevLOVE関西をよろしくお願いします。

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3日間のRSGTが終わった後の楽しみ方

これは、Regional Scrum Gathering Tokyo Advent Calendar 2019の13日目の記事です。
これまでの記事はどれもRSGTにゆかりのある話だったり、ためになる話だったりで楽めてます。そして、きっとこの後も興味深い記事が続くと思います。

私は自分なりの3日間のRSGTが終わった後の楽しみ方を書いてみようと思います。
2018年のアドベントカレンダーでは自分なりのRSGTの楽しみ方を書いていたのですが、今回は終わった後の楽しみ方です。

要約

  • 3日間のRSGTが終わった後の楽しみ方の話
  • 同じ現場から参加した人達での感想戦、参加報告の場などで自分達のとのDiffを見つけるのも1つ
  • 参加していなくてもスライドや参加ブログをみんなで読んでみるのもDiffを見つけることができる

ギルドワークスで現場コーチとしていろいろな現場の変化、改善を支援しています。
私は1日目に「みなさんのプロダクトバックログアイテムはOutcomeを生み出していますか?」というタイトルでお話します。
3日間とも会場をうろちょろしているので見かけたら気軽に声をかけてもらえると喜びます。

同僚と一緒に参加して感想戦をする

同じ組織やチームの人と一緒に参加して、セッションやホワイエ、懇親会などでいろいろ話したことなどを自分達の現場やチームでどう活かすことができるだろうか?と感想戦をします。

残念ながらこの記事を書いている時点では今回のチケットは売り切れているようですが、RSGT2020に限らずこのようなカンファレンスや勉強会では1人ではなく同じチームの同僚と参加することをオススメしています。
RSGTの特徴の1つに、講演を一方的に聴くだけでなく、参加者同士で話し合う機会があり、そういう場の雰囲気になっていることがあります。そういう場の雰囲気はその場にいるからこそ体験できることです。
そういう点で1人よりも2人以上で参加することで同じ体験をした人同士で感想を話し合うことが、インプットに対しいろいろな解釈をすることもできたりします。

スライドやブログを元に話し合う

これまでのRSGTでもセッションのスライドやブログが多く公開されていました。誰も参加できなかった場合でも、このようなスライドやブログをチームで読んでみて話し合うこともやってみてもいいと思います。

支援している現場ではハンガーフライト(※1)という名前で週に30分〜1時間程度、お互いの体験やチームに起きたこと、また人の意見を聴きたいようなことを話し合う場を持つことがあります。
※1コミュニティや職場で、ハンガーフライトしよう。 - The Dragon Scroll

このハンガーフライトの中で、RSGTのスライドなどをみんなで話し合ってみて、自分達の現場をより良くしていく活動のヒントを見つけることもできるかもしれません。
もちろんスライドだけではわからないことやその場における話と合わせてでないとわからないこともあるとは思います。
それでもスライドをチームで見て話し合うということを外部からの刺激として、自分達の現場のDiffを取ったり、自分達のことをふりかえるきっかけにできます。

番外編:再演をお願いする

どうしてもこのセッションの内容を現場やチームのみんなにも聞いて欲しい場合、社内勉強会で再演をお願いするのもいいかもしれません。
再演する話し手の状況やモチベーション次第ですが、快諾してもらえることもあります。

もし社内勉強会で再演することになった場合、再演して終わりではなく、より深い質問や議論ができるような時間を作ったり、話し手にとっても何か新しい知識や発見があるような場にできるとなお良いかなと思います。

3日間のRSGTではいろいろな話を聴いたり、人と話すことで得るものも多くあります。
そこで得たことを、自分の現場に持ち帰って、現場やチームで話すことで現場の前進に役立つこともあるでしょうし、それを聞いた誰かがアジャイルやScrumの理解を深め、興味を持ち、次回のRSGTに参加したり、アジャイルなコミュニティに参加するようになるかもしれません。

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「アジャイルコーチが見てきた組織の壁とその越え方」という話をします

この記事はギルドワークスのアドベントカレンダーの3日目です。

要約

  • 変化していこうとするといろいろな壁と出会う
  • これまでコーチとしていろいろな壁に出会ってきた
  • July Tech Festa 2019で「アジャイルコーチが見てきた、組織の壁とその越え方」という新たな壁の話をする

アジャイルに立ち向かった時のいろいろな壁の話

これまで現場コーチとして、いろいろな組織、チームがアジャイルになっていくための活動を支援してきました。
具体的な活動としてはScrumチームの立ち上げを支援したり、これからのマネジメントのあり方を考えたり、ビジネス側と開発側にある”側”という言葉や考えを取り除きOneTeamになることを背中を押したりしてきました。

もちろん現場ごとに違いますが、そういう取り組みをした時によく出会う壁があることに気づきました。
このエントリでは、これまで出会ってきた壁について書いてみます。

アジャイルな現場になっていく時の越えなければいけない3つの壁

AgileJapan2015 でお話したのは導入の壁定着の壁拡大の壁組織の壁についてでした。
(「〜3つの壁」というタイトルでしたが、結局は4つになりました)

導入の壁は「アジャイルに取り組む時に当事者たちに理由がないとうまくいかない」というものです。
定着の壁は「正解をあるという前提でそれを見つけることの固執してしまう」というものです。
拡大の壁は「広げて行く時に活動やプラクティスの理由が伝わらず表面的になる」というものです。
最後の組織の壁は「アジャイルをなること自体が目的になってしまって、本来の目的が忘れ去られてしまい頓挫してしまう」というものです。

アジャイルカルチャーが組織に根付くまでの挑戦

Regional SCRUM GATHERING Tokyo 2017でお話したのは変化することへの壁やり方の壁役割の壁についてでした。
※参考:【資料公開】アジャイルカルチャーが組織に根付くまでの挑戦 – サウスポーなエンジニアの独り言

以下のブログに詳しく内容を書いていただいています。
[RSGT2017 レポート] アジャイルカルチャーが組織に根付くまでの挑戦 | Developers.IO

アジャイルコーチが見てきた、組織の壁とその越え方

そして今度の日曜日、July Tech Festa 2019でまた壁についてお話します。

セッション概要は

これまでの考え方ややり方を変えようとする時、最初は小さく上手に始められたとしても、しばらくすると文化に根ざす壁にぶつかることが多くあります。トップダウンでもボトムアップでも同じです。その壁にどう立ち向かうか?により組織の文化の方向がつけられます。
このセッションでは、現場コーチ(アジャイルコーチ)として様々な現場の変化を、組織の中からではなく一歩外から関わってきた経験からその壁の越え方をお話します。

今回はチームの中の壁チーム間の壁現場とマネージャー・経営の壁といった3つの壁について、どういう時にその壁が発生するのか、その壁はどういう問題を引き起こすのか、その壁を向き合って壊すためにはどうすればいいのかといったお話をするつもりです。

最大6トラックのセッションがあり、いろいろな人がお話するようですので、興味がある方はこちらからお申し込みください。

ギルドワークスに興味がある方はお気軽にお声がけください

ギルドワークスと一緒にプロダクトづくりをやってみたいと思った方、また、自社のプロダクトづくりや現場のチームのことで相談したい方はお問い合わせフォームやギルドワークスや各社員のSNSなどからお気軽にお声がけください。

DevLOVE X でお話してきました #devlovex

DevLOVE X(10周年記念イベント) でお話しました。

スライドとTogetter

#DevLOVEX 中村洋「「正しいものを正しくつくる」を探索し続けてきた10年とこれからの10年」 #DevLOVEXE Day1-2E - Togetter

DevLOVEへの感謝

あの場で伝えたかったことの1つはこのスライドです。

とにかく今の自分があるのはDevLOVEのおかげです。
このDevLOVEがなければDevLOVE関西もなかったと思います。
DevLOVE関西の誕生の経緯などは誕生!DevLOVE関西:Dev・Loveッ・関西!(2)外から見たDevLOVE関西(papanda編):Dev・Loveッ・関西!(3)に書いています。

そしてTwitterでこんな言葉をもらってすごく嬉しかったし、泣きそうでした。

もちろんDevLOVE関西は自分だけでなく、多くの話し手、会場を貸してくれるみなさん、参加者、そして一緒にやってくれる仲間のおかげで続いていると思っています。

最後に、DevLOVEのみなさん、ありがとうございました!

Developers Summit 2019でお話してきました。 #devsumi

Developers Summit 2019でお話します。 – サウスポーなエンジニアの独り言で書いたようにお話してきました。

スライドとTogetter

デブサミ2019【15-C-6】「仕事なんか楽しいはずないやん」に反発し「ええと思うなら、やったらよろしいやん」を胸に歩んできた話 #devsumiC – Togetter

事前にスライドを公開していたし、話す内容も決めていたものの「こんな”自分史”のような話でいいんだろうか?」と思っていました。
そんな中、2日目のオープニングトークで実行委員の黒田さんの「どこかの本に書いていることを語るのでなく、自分の現場で経験したことを好きに語ればいい」みたいな話を聞いて勇気づけられました。

この発表内容に至るまでの2つの出来事

近藤さんからのフィードバック

1つ目はコンテンツ委員でもある翔泳社の近藤さんとの壁打ちです。

近藤さんから「最近のスライドを見ましたが、ギルドワークスの色が強く、できれば”越境”とか使わずに自分の言葉でお話してもらえたら」というフィードバックをもらいました。

ギルドワークスは自分達で立ち上げたこともあり、自分とギルドワークスはほぼイコールな存在でした。なので、「そらそうやろうな」と思いつつ、正面から受け止めて自分の言葉に振り切ってみました。

そういう背景もあり「こういうトピックをこんな感じで話してみようと思いますが、どう感じますか?」といった壁打ちの時間をもらいました。
近藤さん、ありがとうございました。

RSGT2019でのフィードバック

もう1つは1月のRegional Scrum Gathering Tokyo2019(RSGT2019)でのフィードバックでした。

私のセッションを聞いた人が「昔は”自分はこうやったけど、お前はどうなん?“という尖った感じやタフクエスチョンがあった印象だけど、最近は初学者向けが多いからかそういうのが少なくなった。初学者向けセッションはわかりやすくていいんだけどね」というものでした。

そう言われてみると、最近は説明的な内容やわかりやすい事例などが期待されていることが多かったように思います。その影響かこのフィードバックのようにどこか丸くなっていたかもしれません。

このような2つの出来事もあり、今回は”自分がやってきたこと”とそこからどのようなことを考えるようになったか?という話をさせてもらいました。聞いていただいた人にとって「自分にとって仕事を楽しむというのはどういうことだろうか?仕事を楽しむためにどんなことをしているだろうか?」などを考えるきっかけになったとすれば幸いです。

その他の印象に残った出来事

エンジニア相談スポンサーブース sponsored by ギルドワークス

かつてコミュニティブースがあった頃はDevLOVEとして出していたブースを、ギルドワークスとして出させてもらいました。
コミュニティから飛び出したギルドワークスというカンパニーが5年経ってこのデブサミで…と思うと嬉しかったです。

いい意味での相変わらずの同窓会感と新しい人との出会い

デブサミでしか顔を合わす機会のない旧知の方ともたくさん会うことができました。
どんなことをやってきて、今どんなことをしているのか?をお互い語り合うことができるというのも自分がデブサミに参加する1つのモチベーションです。

1日目の夜にあったDevelopers Summit 2019 アンオフィシャルパーティーでも楽しめました滝川sさん、ありがとうございました)。

またエンジニア相談スポンサーブースなどをきっかけに新しい出会いもたくさんありました。

まとめ

発表の機会、2日間にわたるいろいろな人との出会いの場を用意していただいた翔泳社、スタッフのみなさん、ありがとうございました。
そしてギルドワークスのブースに足を運んでいただいたみなさん、セッションに興味を持ってくださったすべてのみなさん、ありがとうございました。

Developers Summit 2019でお話します。

Developers Summit 2019(デブサミ2019)で、「仕事なんか楽しいはずないやん」に反発し「ええと思うなら、やったらよろしいやん」を胸に歩んできた話というタイトルでお話する機会をいただきました。
2日目の15:15〜、まだ席は余裕があるようなので興味ある方は覗いてくれると嬉しいです。

デブサミの思い出

東京のデブサミでお話するのは2014年のデブサミぶりでLTを含めると3回目になります。

デブサミに初めて参加したのは2013年では、当時実行委員として関わっていたこともあってデブサミ関西の紹介LTをやりました。
その時は「ここがあの目黒の雅叙園か。あ、Twitterでフォローしている○○さんがいる」と、とてもワクワクしたのを覚えています。

2014年のデブサミでは公募セッションの枠があり、それに選んでもらいお話をすることができました。
この時はまだオープンにしていなかったのですが、ギルドワークスの立ち上げ準備でバタバタしたり、これからのことを不安に思っていたことを覚えています。
この年の2日目は大雪で終了時間が少し早くなり、大雪の中、帰ったのもいい思い出です。

ここ2,3年は足が遠のいていましたが、デブサミはSNSでつながった人、DevLOVEなどコミュニティで知り合った人達と再会するちょっとした同窓会のようなものでした。
そういうこともありセッションを聴くよりも当時あったコミュニティブースや休憩会場でいろいろな人と話す時間が多かったように思います。

デブサミ2019で話すこと

今回は、自分がこれまで何を基準にどういう風なことを考え何をやってきたのか?そしてそれはどうなったのか?といったお話をします。一言でいうと”自分戦略”です。

  • 自分のやっていることに意味を見いだせなかった日々の中でやったこと。
  • 不安や焦燥感を感じながら「自分が楽しむやり方をやろう」と振り切ってやったこと。
  • 「仕事なんか楽しいはずないやん」と言われた中で「楽しむことが良いプロダクトづくりにつながる」と思い続けてやったこと。
  • 良いプロダクトを作るために、受託開発でも利用者に会いに行ってフィードバックを高速に回したこと。
  • 非日常の場でのできごとを日常の場に持ち込むためにやったこと。

できるだけ「それお前(とその環境)やからできたんでしょ」にならないようにいくつかはプラクティスの形に落とし込んでお話できればと構成を考えているところです。

今回のデブサミのテーマ「SHARE YOUR FUN!」にちなんで、自分なりに現場を楽しくするためにやってきたことをお話したいです、聴きに来てくださったみなさんの楽しさなども知ることができると嬉しいです。

というわけで、今からデブサミ2019が楽しみです。