速効!SEのためのコミュニケーション実践塾 (日経ITプロフェッショナルBOOKS)
著者:田中 淳子
私が定期購読している雑誌「日経SYSTEMS」の前身である「日経ITプロフェッショナル」の初期に連載を加筆、修正して単行本化したものです。
◆目次
第1部 基本編(顧客訪問―基本のビジネスマナーをしっかりチェックする
リスニング・スキル―深く正確に聞くためのテクニックを学ぶ
顧客説明―顧客に深く理解させる「説明力」を身に付ける
質疑応答―質問にしっかり答えて説明を締めくくる ほか)
第2部 応用編(先輩として手本を示す―“先輩らしく”行動し優秀な後輩を育てる
新入社員が配属されたら―きめ細かい配慮で後輩の不安を和らげる
新入社員をOJTで教育する―OJTの方針を明確にしてこまめに声を掛ける
新入社員の表現力を育てる―細かい点を見逃さず表現の間違いを正す ほか)
付録
基本編と応用編の2部構成ですが、基本編が大きくヒヤリングとプレゼン部分の2つに別れている印象です。
元が連載ものだったからか、簡潔に各項目をまとめられています。
だいたい1項目10ページ弱なので、1日1項目を読む…という細切れな時間を有効に使える内容です。
小難しい心理学の話や長々した文章もなく、読みやすくまとまっています。
この辺は「人材教育コンサルタント」という肩書きの著者の特徴(他にもちょくちょく著者の本を読んでいますが)だと思います。
内容的には「これは目からウロコ!!」的な新たな驚き、気づきはそれほどないと思います(読者の経験にもよりますが)。
ただ、仕事がバタバタしてしんどい的には、忘れがち、置き去りにされがちな基本的な部分を思い出させてくれる感じです。
例えば↓…。
・「顧客の視点から回答する」
→「こんな最新の技術を使っています!」ではなく「これでどんな風に変わるのか?」を伝えましょう。
・「具体的な根拠を示す」
→「すごく早くなる」ではなく、「1時間の作業が5分になります」と具体的な数字を出しましょう。
・「ネガティブな先入観を与えない」
→第2部(先輩として手本を示す―“先輩らしく”行動し優秀な後輩を育てる)にあるのですが、新人が入ってきて初めて後輩ができたりして、話す時についつい(悪い方の)噂話や仕事の愚痴などを言ってしまいがちです。
第2部は若手のOJT担当がやってしまいがちなNGが分かりやすく書かれています。後輩や部下がそろそろできはじめる若手の方は一度読んでみると良いと思います。
※注意:この記事は旧サウスポーなエンジニアの独り言から移行し一部修正したエントリです。
Photo via Visualhunt
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