ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ
著者:横田 尚哉
問題解決がテーマの本は色々読みましたが、その中でも良書の部類に入ると思います。
ポイントは題名にある「ファンクショナル・アプローチ」という手法です。
ある程度、この分野(問題解決)の知識、経験があれば題名の通り「ワンランク上の」考え方として使うことができると思います。
◆目次
1章 ワンランク上の問題解決とは
2章 実践ファンクショナル・アプローチ―ステップ1・準備
3章 実践ファンクショナル・アプローチ―ステップ2・分解
4章 実践ファンクショナル・アプローチ―ステップ3・創造
5章 実践ファンクショナル・アプローチ―ステップ4・洗練
6章 日常をファンクショナル・アプローチで考える
終章 目標に向かって、とるべき針路を見つけよう
付録 ファンクショナル・アプローチ・シート
私が印象に残った箇所を羅列すると…。
問題解決のカギは「問題の認識」と「改善点の特定」
ワンランク上の問題解決をもたらす思考のルール
1:固定観念にしばられず、前回と違った方法を試してみる
2:手段にこだわるのではなく、改善点に焦点を当てる
3:「見落とされている改善点」を探す
4:過去を手放し、未来のあるべき姿から発想する
身体的/精神的に疲れていて、余裕が無い状態だと安易に↑の思考に陥ってしまい、せっかくの問題解決の機会を逃していないか自問します。
「それは何のため?」「それは誰のため?」
これらの答えに窮するのであれば無駄な努力(=そもそも目的がおかしい)というロジックです。
似たような思考で、私は「これが解決すると誰がハッピーになる?」と考え、そしてそのハッピーになる人物にとって「どうあって欲しいか?」と思いを巡らせ解決策を考えたりします。
「手段志向」よりも「目的志向」
(上の話と似ていますが)問題/課題に対して「どのように~」と考えるのが手段志向で、「何のために~」と考えるのが目的志向であると定義し、目的志向で考えていきましょう(これが本書でいう「ファンクショナルな視点を持つ」ということ)ということです。
より効果的な解決手段を見つける5つのヒント
1:使用者優先の原則
2:機能本意の原則
3:創造による変更の原則
4:チームデザインの原則
5:価値向上の原則
ファンクショナル・アプローチの4つのステップ
準備→分解→創造→洗練とありますが、特に「分解」の記述は興味深いものでした。
上位/下位を設定したファンクションに対し…
「もし上位ファンクションが必要なくなれば、下位ファンクションも必要なくなるか?」
「下位ファンクションは、上位ファンクションの達成に役立っているか?」
「もし下位ファンクションが機能しなければ、上位ファンクションはまだ機能しないか?」
…と問いかけし、それに違和感があれば、問題/課題に対する目的が間違っているというロジックです。
そしてそれらを繰り返す中で問題/課題の本質であるキー・ファンクションを見つけ出していくという内容です。
ひょっとすると他の問題解決の手法や考え方を知らない方が読むと比較検討ができなかったりして、理解が少し難しいかもしれませんが、何度か読み、実践をこなすことで「あ、そういうことか!」と分かると思います。
※注意:この記事は旧サウスポーなエンジニアの独り言から移行し一部修正したエントリです。
Photo credit: Create-Learning Team Building & Leadership via Visualhunt / CC BY
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